コラム

洋服上下セットアップの処分。ダイジョウブは大丈夫じゃないこともある

2018/01/26

日本語がほとんど話せない外国人とお仕事をしたことがあります。私は日本語以外の言語がわからないので、必然と日本語で対応をします。メールのやり取りは比較的スムーズでしたが、日本語検定1級という素晴らしい資格を引っさげて日本にやって来ても、対面で会話ができません。ほとんど筆談でのやり取りとなりました。しかも、一から十まで書かないと伝わりません。

 

ダイジョウブ。本当に?

集団で来日し、周りが同じ言語圏だと、どうしても母国語での会話が多くなります。その中で日本語が上手な1人いると、その人に頼ってしまう傾向があるようで、来日して2年経っても会話がうまく成り立たない場合もありました。逆に、日本人ばかりの部署に配属された人はメキメキと上達し、1年半で電話での会話もスムーズでした。

日本語学校に通いながらバイトをしている外国人の人は、さらに日本語を書くのも困難です。漢字が難しいので、すべてひらがなになります。説明書はルビを振る必要があります。彼らに「わかる?大丈夫?」と聞くと「はい、ダイジョウブです」とニッコリ答えてくれますが、大抵はまったく理解してないのが実情です。そこで、みずからルビを振ってもらうことにしました。「ぬ」と「め」と「あ」の区別もすぐに出てこないくらいの日本語力だったため、本当に時間がかかりましたが、自分で書いたことで理解がものすごいスピードで進みました。わかるように伝えることは容易ではありません。でもすごく熱心に聞いてくれます。学習したいという意欲が伝わります。そうするとこちらも、どのようにしたら伝わるだろう、ひとつでも覚えて帰れたかしら、と試行錯誤を繰り返します。これはお片付けがうまくできない人に伝えるのも同じだと私は考えます。
 

身近な例は気づきやすい

片付けが苦手だと、暗黙のルールを自分でつくりこんでいることがあります。セット買いの洋服などはわかりやすい例ですね。以前お邪魔したお宅は、以前スポーツをやっていたせいかジャージが普段着です。下はよく履くのですが、上着は普通の服でコーディネイトしてます。それでも上着は残したいという要望がありました。「大丈夫ですか?」とお聞きすると「はい、ダイジョウブです」と回答が。もちろん要望は聞き入れますので、あらかた整理をしたのち、引き出しに収納しました。終わったところで「さて、上着は何着あったかわかりますか?」とお聞きしました。「うーん、3着くらい??」
 
実はその倍以上、7着が正解です。「どうですか、上着、そんなに着る機会ありますか?」「…いらないですね。」
結局、引き出しに入れた上着を再度出して、3着のみ残すこととなったのです。その時に気づいたようです。「セットにする意味、ないですね」「ダイジョウブじゃなかったです」もう一度、洋服の整理はやり直すこととなりました。スーツもパンツやスカートしか履いていない上着や、マフラーとセットで買った帽子など、未使用アイテムは処分の対象となったのです。
 

身近なところから気づいてもらえると、理解度が早くなります。その人が「そうか!」とならないと、いろいろ伝えても理解してもらえません。上手に引き出すことが、上達への近道なのかもしれません。
 
ではでは。トトノエトトノウでした。

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