コラム

遺されたモノの整理の難しさ

2020/10/06

身内や友人、ペットが亡くなった時の整理は本当につらいものです。今まで目の前にいた人が、触れられる存在がいなくなってしまった。喪失感は計り知れません。現実を受け止めることができるまでには時間がかかります。部屋を引き払わなければならないなどの理由がない限り、自分の心の整理が先決です。モノの整理は気持ちが落ち着いてからで問題はありません。

 

では、受け入れられるようになってからどのようにモノを残していくかを考えてみましょう。

モノには感情がありません。ヒトの感情がモノに乗っかります。以前使っていたお気に入りのモノや遺したモノには、残された人の感情が更に覆いかぶさります。なおさら手放すことができないのはそれが理由です。

 

私もいくつか経験しているお別れのあとは、モノが手放せませんでした。特に近しい存在のゆかりのモノや写真は、本当に難しいのです。

受け入れられるようになったとき、いただいたモノをすべて一箇所に集めてみました。分散して置いてあると、どれも大切なモノに見えてしまうからです。ひとつずつ見ていくと劣化等で使うことができないモノがあったので、まずはそれから手放すことにしました。次にモノを片方ずつ持って、どちらを残したいか考えてみました。要不要では判断できないので、順番をつけることで少しずつ精査をしていきます。どうしても優越つけがたいモノもありますが、今は同順位でも構いません。時間が経過すると見方も変わってきます。日を置いて再度同じことをしていくと徐々にモノは少なくなってきました。

 

手放すことは捨てることだけではありません。同じ職業や気に入った人に使ってもらう、同じ種類のペットを飼っている人に譲るなど、自分のものから手が離れることでモノが活きてくることがあります。手元にしまっておくよりも、モノにとってもうれしいのではないでしょうか?

 

ひとりではできないこともあるかもしれません。そんな時は微力ながら一緒に整理をすることができます。悲しみとモノを減らし、前を向けるお手伝いをいたします。

 

決してすべてを手放す必要はありません。しかしモノを手放しても人やペットとの思い出は消えません。一緒に時を共有したことこそが一番の宝物です。あの時を想い出せるようなとっておきのモノを傍らに置いて、共に生きていきましょう。

ではでは。トトノエトトノウでした。

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