コラム

店づくりその前に

2018/06/15

起業準備として、店舗経営を考えている人はたくさんいるでしょう。「店を構えたい」「自分の城として店をつくろう」と考えている人にとって、ああしたいこうしたいというイメージが膨らみます。それも大事なことですが、まずお伝えしたいのは「最初は身の丈を考えること」「目的とコンセプト、そしてターゲットを明確にすること」「一緒に働く従業員がいる場合は、その思いをしっかり伝える」ことです。
 

新規店舗バイトの想い出

ワタシが以前リラクゼーション施設で働いていた店舗での経験が最近よみがえってきました。新規開店で場所は駅近、店長はカタチから入るタイプで、オープン前からステキなモノをあれこれと買い揃えてました。ユニフォームは取り寄せ、マッサージ用のクリームもいろいろと試しました。さらに高価な中国茶やお茶菓子を用意、インテリアもなかなかの凝りようで、表面はラグジュアリー感満載です。

 
今から考えると、運転資金(月々必要なお金)を一切考えてなかったのでしょう。やりたいサービスとは裏腹に、いろいろなひずみが出てきます。お客様は足が遠のき、割引サービスを始めます。やがて中国茶は安めのジャスミン茶に代わり、マッサージで使う基剤はスーパーで購入可能なクリームとなり、ユニフォームはファストファッションの上下になりました。
ちなみにワタシは、向上心を持って仕事に臨んだつもりでしたが、それが仇となったのか、反抗的と捉えられクビになってしまいました。その後のことは不明ですが、現在お店はありません。

 

店舗はカタチから入ってはいけない

完全にカタチから入ってつまづいてしまった例です。このお店、事業計画・収支計画の甘さやコストの増大など、いろいろなことが要因として挙げられます。ワタシはスタッフだったので、そのあたりは知る由もありません。しかし、スタッフの一員としてこのお店が「何を目指しているのか」を一度も聞いたことがありませんし、接客態度も決して良くなかったと思います。内装は凝っていましたが、トイレや着替えの位置など、お客様が気持ちよく過ごすつくりではありませんでした。
 
お店を作りたいと考えている人は、ぜひ「なぜこの店を作りたいのか」「どのような店にしたいのか」というコンセプトと目的を持ちましょう。そして「どのようなお客様が来店されるか」「お客様に選ばれる理由」を設定しておく必要があります。その上で「設備資金」「運転資金」「事業・収支計画」を立ててください。またスタッフを雇うのであれば、コンセプトなどを共有しましょう。「このお店が好き」という想いはお客様に必ず伝わります。店長さんだけの想いでは、スタッフが空回りしますよ。
 
いいお店、ぜひ作ってくださいね。
ではでは。
トトノエトトノウでした。

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